特別な公演
特別な公演がありました。
ショスタコーヴィチの室内交響曲を全員暗譜で、しかもダンサーと一緒に踊りながら弾くといったプロジェクトです。私自身オーケストラの曲を暗譜したことがなかったですし、振り付けもつくなんて、初めはちょっと想像しづらいプロジェクトでした。
しかし実際に公演を終えてみて、かけがえのない芸術作品の一部となれた感覚があり、とても大きな感動に私自身が包まれました。
今回このプロジェクトには、2人の大物ゲストが関わって下さいました。振付師のÖrjan Andersson、コンサートマスターのTerje Tønnesen。
まず、コンサートマスターのTerje。指揮者なしのプログラムなので、リハは彼中心に行われ、彼の音楽的アイディアをできるだけ表現するようにリハーサルが進められていきました。
初めはすごくユニークなアイディアを持っている方だなと感じました。彼の提案は、今まで聴いたどのレコーディングとも違っていたからです。
でも、リハーサルを進めるにつれて、彼の表現が一番自然で、ショスタコーヴィチの音楽を最大限に表現しているのではないかと思えるようになりました。
また、ダンサーとのコラボレーション。体の動きを使っての表現と演奏を同時に行うことで、表現の規模が一回り、ふた回り大きくなるのを体感できました。これはオペラなどの総合芸術に通ずるものなんだろうなと感じます。
こういったプロジェクトは、私のオーケストラのような小編成のアンサンブルならではなので、このオケに所属できていることを改めて感謝する機会になりました。